根本治療のもう1症例をご紹介します。

と言っても、このケースはもはや根本“治療”ではありませんが…

商売人としてはダメなケースかもしれません。

30代女性、第1子出産後から腰痛が出現。さまざまな治療院に行ったが、ほぼ出産による骨盤の歪みが原因とされ、10数年のあいだ骨盤矯正ばかりされていた。

初回から｢それだけ骨盤矯正、骨格矯正ばかりやられて、治ってないのだから、そういう問題じゃないかもしれませんね。他の可能性を検査してみますがよろしいですか？｣と尋ねると、｢お願いします｣と了承を得た。

検査により、『第1子出産前に何か大事なものを失った』ということが分かった。

これもやはり言いにくい。突然そんなことを白衣を着た理学療法士に言われると気持ち悪いと思う。

｢あのぉ…ちょっと変な事を言いますが…最初のお子さんを産む前に、何か大事なものを失っていませんか？あなたの腰痛…それが原因のようなのですが…変なこと言ってすみませんm(_ _)m｣

するとその方はジワッと泣き出しました。

第1子を出産する前に、実は1人堕胎しており、ご本人はちゃんと供養したかったのですが、お相手があまり乗り気ではなく、納得のいく供養を未だにしていないのだそうです。

お相手は今のご主人とのことなので、｢もはや私の仕事ではなさそうですね。あなたの辛いお気持ちをご主人にしっかりと伝えて、あなたの得心のいくように、ご夫婦でお子さんにしてあげてください｣

そうして帰っていただきました。

2020.08